同じホテルの同じ部屋に泊まっても、朝食が付く人と付かない人がいます。午後4時までいられる人と、11時に出る人がいます。差がついているのは料金ではなく、会員資格です。
マリオットのプラチナエリートは、本来年間50泊で取るものです。月に4泊ちょっと。出張が多い人でなければ、まず届きません。
それでも日本にプラチナ会員が多いのは、もう一つの道があるからです。長く「SPGアメックス」と呼ばれてきたクレジットカードです。この記事は、そちらが本題です。
「SPGアメックス」は、いまこの2枚のこと
まず名前の話をします。アメックスの現在のカード紹介ページに「SPG」という名前は出てきません。申し込めるのは次の2枚です。
いま申し込める2枚(「SPGアメックス」と呼ばれてきたカードの現在)
| Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・カード | Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード | |
|---|---|---|
| 年会費(税込) | 34,100円 | 82,500円 |
| 家族カード(税込) | 1枚無料/2枚目以降 17,050円 | 1枚無料/2枚目以降 41,250円 |
| 入会でもらえる資格 | ゴールドエリート | ゴールドエリート |
| プラチナへ上がる条件 | 公式の表に記載なし | 年間500万円以上のカード利用 |
| 無料宿泊特典の条件 | プログラム期間中に250万円以上+カード継続 | 年会費の支払い+年間400万円以上 |
| 無料宿泊特典の上限 | 交換レート50,000ポイントまで | 最大75,000ポイント |
| もらえる宿泊実績 | 新規入会時と毎年の継続ごとに5泊分 | 新規入会時とカード更新時に15泊分 |
Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・カード
- 年会費(税込)
- 34,100円
- 家族カード(税込)
- 1枚無料/2枚目以降 17,050円
- 入会でもらえる資格
- ゴールドエリート
- プラチナへ上がる条件
- 公式の表に記載なし
- 無料宿泊特典の条件
- プログラム期間中に250万円以上+カード継続
- 無料宿泊特典の上限
- 交換レート50,000ポイントまで
- もらえる宿泊実績
- 新規入会時と毎年の継続ごとに5泊分
Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード
- 年会費(税込)
- 82,500円
- 家族カード(税込)
- 1枚無料/2枚目以降 41,250円
- 入会でもらえる資格
- ゴールドエリート
- プラチナへ上がる条件
- 年間500万円以上のカード利用
- 無料宿泊特典の条件
- 年会費の支払い+年間400万円以上
- 無料宿泊特典の上限
- 最大75,000ポイント
- もらえる宿泊実績
- 新規入会時とカード更新時に15泊分
- アメックスの現在のカード紹介ページに「SPG」という名前は出てこない。申し込めるのはこの2枚
- プラチナエリートに上がる道が用意されているのはプレミアム・カードだけ。公式のエリート会員資格の表で、一般カードには「自動的に付与=ゴールドエリート」の行しかない
- エリート資格が付くのは基本カード会員のみ。ただし家族カードの利用分は基本カードに合算される
- 入会キャンペーンのポイント数は時期で変わるので、ここには書かない。申し込む前に公式ページで確認すること
アメリカン・エキスプレス 公式サイト(各カードのご案内ページ/エリート会員資格)/2026.08.22 確認
読むべきところは1行だけです。プラチナエリートに上がる道があるのは、プレミアム・カードだけです。一般カードは年会費が半額以下ですが、公式のエリート会員資格の表に、プラチナへ上がる条件の行そのものがありません。
「カードを持てばプラチナ」ではありません
どちらのカードも、入会して自動で付くのはゴールドエリートです。プラチナは、プレミアム・カードで年間500万円使ったときに初めて付きます。ここを取り違えると、期待した朝食もラウンジも付きません。
プレミアム・カードの条件を、混同しないように並べる
Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードの条件
| 条件 | |
|---|---|
| 年会費 | 82,500円(税込)。家族カード1枚目は無料、2枚目以降41,250円(税込) |
| 入会でもらえる資格 | ゴールドエリート(自動付与) |
| プラチナへ上がる条件 | 年間500万円以上のカード利用 |
| 利用額の集計期間 | 毎年1月1日〜12月31日 |
| 無料宿泊特典 | 年会費の支払いに加えて、年間400万円以上の利用で1泊分(最大75,000ポイント) |
| 宿泊実績のプレゼント | 新規入会時とカード更新時に15泊分 |
| 家族カードの扱い | 利用分は基本カードに合算。ただしエリート資格が付くのは基本カード会員のみ |
- 年会費
- 82,500円(税込)。家族カード1枚目は無料、2枚目以降41,250円(税込)
- 入会でもらえる資格
- ゴールドエリート(自動付与)
- プラチナへ上がる条件
- 年間500万円以上のカード利用
- 利用額の集計期間
- 毎年1月1日〜12月31日
- 無料宿泊特典
- 年会費の支払いに加えて、年間400万円以上の利用で1泊分(最大75,000ポイント)
- 宿泊実績のプレゼント
- 新規入会時とカード更新時に15泊分
- 家族カードの扱い
- 利用分は基本カードに合算。ただしエリート資格が付くのは基本カード会員のみ
- ★このカードで得たプラチナエリートは、Marriott Bonvoyの年間チョイス特典の対象外(公式サイトの注記)
- 本カードは2025年8月21日に特典を拡充し年会費を改定した。2025年8月20日までに持っていた会員には2025年10月28日から適用
- 「500万円でプラチナ」と「400万円で無料宿泊特典」は別々の条件。金額も達成したときにもらえるものも違う
アメリカン・エキスプレス 公式サイト「Marriott Bonvoyエリート会員資格」/2026.08.22 確認
500万円と400万円は、別々の条件です。500万円はプラチナエリート、400万円は無料宿泊特典。400万円使った人は無料宿泊特典をもらえますが、プラチナにはなりません。
そして、このカードで得たプラチナは年間チョイス特典の対象外だと公式に注記されています。50泊して取ったプラチナとは、そこだけ扱いが違います。
15泊分のプレゼントが、地味に効きます
プレミアム・カードは、入会時と更新時に15泊分の宿泊実績がもらえます。つまり毎年、50泊のうち15泊が先に積まれている状態から始まります。
残りは35泊。年に35泊は、まだ多いです。ただ「500万円を使う」と「35泊する」のどちらかで届くと考えると、見え方が変わります。両方を少しずつ、という組み方はできません(宿泊数と利用額は別の条件です)が、自分がどちらに近いのかを先に測る価値はあります。
で、プラチナだと何が変わるのか
年会費82,500円と年間500万円に見合うのかを判断するには、ゴールドとの差を具体的に知る必要があります。1泊の過ごし方で並べます。
朝食(ここがいちばん大きい)
ゴールドのウェルカムギフトは250ポイントか500ポイント(ブランドによる)。プラチナはポイント・朝食・アメニティから選べるようになります。2人で泊まってホテルの朝食を頼めば、それだけで数千円分です。年に10泊すれば、この差だけで年会費に近づきます。
ラウンジ
プラチナから、ラウンジのあるブランドでラウンジに入れます。ここでも朝食が食べられます。ただし公式には「ラウンジがあるホテルブランドでは」と書いてあります。すべてのマリオット系ホテルにラウンジがあるわけではありません。泊まる前に、そのホテルにラウンジがあるかを確かめてください。
チェックアウトの時刻
ゴールドは午後2時、プラチナは午後4時。2時間の差ですが、旅程への効き方はかなり違います。午後4時まで部屋を使えるなら、荷物を置いたまま昼まで出歩いて、いったん戻ってシャワーを浴びてから移動できます。
部屋
ゴールドは「エンハンスドルーム」。公式の注記に「スイートは含まれません」とはっきり書いてあります。プラチナから、一部のスイートが対象に入ります。
ただし、どの段階でも「到着時の空室状況に応じて」です。確約ではありません。混んでいる日には上がらないと思っておいたほうが、がっかりしなくて済みます。
会員資格の全体像
カードで取れるのはゴールドとプラチナだけですが、上には2段階あります。位置関係を見ておくと、自分がどこを目指すのかが決めやすくなります。
Marriott Bonvoy エリート会員資格と、必要な年間宿泊数
| シルバー | ゴールド | プラチナ | チタン | アンバサダー | |
|---|---|---|---|---|---|
| 年間の必要宿泊数 | 10泊 | 25泊 | 50泊 | 75泊 | 100泊+年間利用額23,000米ドル |
| ボーナスポイント | 10% | 25% | 50% | 75% | 75% |
| レイトチェックアウト | 優先(時間の保証なし) | 午後2時まで | 午後4時まで | 午後4時まで | 午後4時まで |
| ウェルカムギフト | なし | ポイント | ポイント/無料の朝食/アメニティ | ポイント/無料の朝食/アメニティ | ポイント/無料の朝食/アメニティ |
| 客室のアップグレード | なし | エンハンスドルーム | セレクトスイートを含む | セレクトスイートを含む | セレクトスイートを含む |
| ラウンジへのアクセス | なし | なし | あり | あり | あり |
| 年間チョイス特典 | なし | なし | 50泊で1つ | 75泊でもう1つ | 対象 |
シルバー
- 年間の必要宿泊数
- 10泊
- ボーナスポイント
- 10%
- レイトチェックアウト
- 優先(時間の保証なし)
- ウェルカムギフト
- なし
- 客室のアップグレード
- なし
- ラウンジへのアクセス
- なし
- 年間チョイス特典
- なし
ゴールド
- 年間の必要宿泊数
- 25泊
- ボーナスポイント
- 25%
- レイトチェックアウト
- 午後2時まで
- ウェルカムギフト
- ポイント
- 客室のアップグレード
- エンハンスドルーム
- ラウンジへのアクセス
- なし
- 年間チョイス特典
- なし
プラチナ
- 年間の必要宿泊数
- 50泊
- ボーナスポイント
- 50%
- レイトチェックアウト
- 午後4時まで
- ウェルカムギフト
- ポイント/無料の朝食/アメニティ
- 客室のアップグレード
- セレクトスイートを含む
- ラウンジへのアクセス
- あり
- 年間チョイス特典
- 50泊で1つ
チタン
- 年間の必要宿泊数
- 75泊
- ボーナスポイント
- 75%
- レイトチェックアウト
- 午後4時まで
- ウェルカムギフト
- ポイント/無料の朝食/アメニティ
- 客室のアップグレード
- セレクトスイートを含む
- ラウンジへのアクセス
- あり
- 年間チョイス特典
- 75泊でもう1つ
アンバサダー
- 年間の必要宿泊数
- 100泊+年間利用額23,000米ドル
- ボーナスポイント
- 75%
- レイトチェックアウト
- 午後4時まで
- ウェルカムギフト
- ポイント/無料の朝食/アメニティ
- 客室のアップグレード
- セレクトスイートを含む
- ラウンジへのアクセス
- あり
- 年間チョイス特典
- 対象
- アップグレードは「到着時の空室状況に応じて」適用される(公式サイトの記載)。確約ではない
- ラウンジは「ラウンジがあるホテルブランドでは」フルアクセスと無料の朝食。空き状況で利用できない場合もある、と明記されている
- レイトチェックアウトは「保証と時間は、エリート会員資格に基づきます」。シルバーは優先されるだけで時間の保証はない
- MGMコレクション、オールインクルーシブ・バイ・マリオット ボンヴォイ、ザ・リッツ・カールトン ヨットコレクションは、これとは別の特典体系
Marriott Bonvoy 公式サイト「会員レベル&特典」/2026.08.22 確認
増える特典が集中しているのは50泊のところだと分かります。ウェルカムギフトに朝食が入り、アップグレードにスイートが入り、ラウンジが開き、年間チョイス特典が始まる。カードが狙っているのは、まさにこの段差です。
ここで、全部が消えます
前払いの予約サイトを通すと、アップグレードもレイトチェックアウトも付きません
公式の注記に、対象外となるサイトの名前がそのまま書かれています。年会費82,500円を払い、500万円を使ってプラチナを取っても、予約経路を間違えると、その滞在では効きません。
エリート特典が使えなくなる予約のしかた
| 扱い | |
|---|---|
| 客室のアップグレード | 前払い制の第三業者を介して予約した場合は利用できない |
| レイトチェックアウト | 前払い制の第三業者を介して予約した場合は利用できない |
| 名指しされている例 | priceline.com、expedia.com、booking.com、orbitz.com、elong.com など |
- 客室のアップグレード
- 前払い制の第三業者を介して予約した場合は利用できない
- レイトチェックアウト
- 前払い制の第三業者を介して予約した場合は利用できない
- 名指しされている例
- priceline.com、expedia.com、booking.com、orbitz.com、elong.com など
- 公式の注記に、この5つのサイト名がそのまま書かれている
- 「ご滞在期間を通じて空室がある場合に限り」という条件も同じ注記に付いている
アメリカン・エキスプレス 公式サイト「Marriott Bonvoyエリート会員資格」注記/2026.08.22 確認
1泊あたり数千円安く予約できたとしても、朝食2人分とアップグレードと午後4時までの滞在を失えば、たいてい損をしています。加えて、前払いサイト経由の宿泊は宿泊実績にも算入されないのが一般的な扱いです。翌年の資格にも響きます。
予約は公式サイトから。この記事でいちばん実害の大きい話は、これです。
判断の順番
- 年に何泊するのかを先に数える。15泊分のプレゼントを足して50泊に届くなら、カードの利用額を気にせず宿泊で取れます
- 届かないなら、年間500万円をカードに通せるか。通せないなら、400万円で無料宿泊特典だけを狙う手もあります
- どちらも遠いなら、一般カード(年会費34,100円)でゴールドという選び方があります。朝食もラウンジも付きませんが、午後2時のチェックアウトと部屋のアップグレードは付きます
- どの資格であっても、予約は公式サイトから。ここを外すと、上のすべてが無効になります
- アップグレードとラウンジは「空いていれば」。確実に手に入るのは、朝食・ポイント・チェックアウト時刻のほうです
この記事で確認した出典
この記事に書いた条件は、すべて下記の公式ページを直接開いて確認したものです。年会費も特典も条件も変わります。実際に申し込む前には、確認日より新しい情報がないか、リンク先を見てください。とくにプレミアム・カードは2025年8月21日に特典を拡充し年会費を改定しており、それ以前から持っている会員には2025年10月28日から適用されると公式に案内されています。
- アメリカン・エキスプレス 公式サイト「Marriott Bonvoy エリート会員資格」/2026.08.22 確認
- アメリカン・エキスプレス 公式サイト「Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・プレミアム・カードのサービス」/2026.08.22 確認
- アメリカン・エキスプレス 公式サイト「Marriott Bonvoy アメリカン・エキスプレス・カード」/2026.08.22 確認
- Marriott Bonvoy 公式サイト「会員レベル&特典」/2026.08.22 確認
