カナダの旅で最初につまずくのは、たぶん行き先選びです。この国は東西5,514km。日本からロッキー山脈へ行くのと、ナイアガラの滝へ行くのは、まったく別の旅になります。「カナダに行く」と決めた次にやることは、どのエリアに行くかを1つ選ぶことです。

この記事では、まず4つのエリアの違いを並べます。そのあとに、どのエリアへ行っても共通する決まりごと(入国、入園料、確認しておくべきこと)を置きます。エリアごとの中身は、それぞれの記事に分けました。

カナダを4つに分けて見る

大きく分けると、西から順にこうなります。ピンを押すと、そのエリアの記事へ飛びます。

1倍

ドラッグとピンチで動かせます。ピンを押すと、その場所へ飛びます。

バンクーバーの中心部とフォールスクリーク01/バンクーバーバンクーバーとビクトリア|街から森と海へ、すぐ出られる都心から地続きで400ヘクタールの温帯雨林に入れる街です。吊り橋は対岸の北側、花の庭園は海を渡った島。空港からの行き方、街の中の動き方、食べるもの、泊まる場所、2泊3日の回り方まで、公式ページで確認して書きました。この記事を読む モレーン湖と背後のテンピークス(カナダ・アルバータ州)02/カナディアンロッキーカナディアンロッキー|モレーン湖に自家用車では行けません写真で見るあの湖には、レンタカーでは着けません。モレーン湖は一年じゅう自家用車が入れず、シャトルは予約制。カルガリー空港からの入り方、入園料、バンフの町、氷河、宿、3泊4日の回り方まで、公式ページで確認して書きました。この記事を読む カナダ側から見たホースシュー滝03/トロントとナイアガラトロントとナイアガラ|滝の見どころは、ひとつの公社がまとめて持っているナイアガラの滝の見どころは、州の公社ナイアガラ・パークスがまとめて運営しています。トロント側は月曜に閉まる場所があり、CNタワーは時間指定。空港からの入り方、滝までの行き方、遊覧船と夜の滝、市場と食、宿、2泊3日の回り方をまとめました。この記事を読む 冬のケベック旧市街とシャトー・フロンテナック04/モントリオールとケベックモントリオールとケベックシティ|要塞は今も軍が使っていて、ガイドなしでは入れませんフランス語圏のカナダ。ケベックのシタデルは現役の軍事施設でガイドツアーでしか入れず、モントリオールの大聖堂は見学が有料です。2つの街の間の移動、旧市街の歩き方、スモークミートとベーグルとプーティン、城のホテル、3泊4日の回り方をまとめました。この記事を読む

1回の旅で回れるのは、たぶん1つ

カナダ統計局によれば、東西の端から端まで5,514km。バンクーバーとトロントのあいだは飛行機でおよそ4時間半、時差は3時間あります。日本の国内旅行の感覚で「ついでにあちらも」とつなぐと、移動だけで日程が消えます。

4つのエリアは、性格もはっきり違います。ロッキーは自然そのもの。バンクーバーは海と山に囲まれた街。トロントとナイアガラは都市と滝。モントリオールとケベックはフランス語圏で、街並みがヨーロッパです。「カナダらしさ」を1つに決められないのが、この国の特徴です。

4つのエリア、それぞれの入り方

エリアを選ぶときに効くのが、空港に着いてからの動き方です。4つとも違います。

  • バンクーバー……空港から鉄道(カナダ線)でダウンタウンへ直通。街の中は歩きと船で回れる
  • ロッキー……カルガリー空港から車で90分。シャトルバスが2社あり、レンタカーが無くても入れる
  • トロントとナイアガラ……空港からユニオン駅まで鉄道で28分。滝へは列車か車で2時間
  • モントリオールとケベック……2つの街の間はバスで3時間15分。バスは空港にも停まる
移動カナダ・バンクーバー

カナダライン(スカイトレイン)

  • ダウンタウンのウォーターフロント駅、バンクーバー国際空港(YVR)、リッチモンドを結ぶ路線。空港側の駅はYVR–Airport駅
  • バンクーバーの鉄道はスカイトレインと呼ばれ、エキスポ線・ミレニアム線・カナダ線の3路線がある。空港へ行くのはカナダ線だけ
移動カナダ・アルバータ州(カルガリー〜バンフ)

カルガリー国際空港からバンフへ

  • ロッキーの玄関口はカルガリー国際空港。バンフまで130km、車で約90分
  • バンフからレイクルイーズは車で45分、ジャスパーは3時間半、バンクーバーは10時間
  • バンフやレイクルイーズに入る人は全員、国立公園のパスが要る
出典www.banfflakelouise.com/getting-here確認日
移動カナダ・トロント(ピアソン空港〜ユニオン駅)

UPエクスプレス(空港線)

  • トロント・ピアソン国際空港とダウンタウンのユニオン駅を28分で結ぶ鉄道。オンタリオ州の交通機関メトロリンクスの一部門が運行している
出典www.upexpress.com/en確認日
移動カナダ・ケベック州(モントリオール〜ケベックシティ)

オルレアン・エクスプレス(モントリオール〜ケベック)

  • モントリオールの中心とケベックシティの中心を結ぶ長距離バス。毎日運行
  • 所要は平均3時間15分
  • モントリオール・トルドー空港にも乗り場がある

季節で閉まるもの

カナダの見どころには、季節でしか動かないものがあります。エリアの記事で公式の日付を確認したものを、まとめて並べます。

  • ロッキーの湖へのシャトル……レイクルイーズ湖畔行きは5月15日〜10月12日、モレーン湖行きは6月1日〜10月12日(2026年)。冬はモレーン湖に入れない
  • アサバスカ氷河の雪上車……5月1日〜10月12日(2026年)
  • ナイアガラの遊覧船……4月〜11月。冬は動かない
  • ブッチャートガーデン……一年じゅう開くが、夏は22時まで、11月は16時30分までと時間も料金も変わる
  • ケベックのシタデル……年中無休だが、9月1日から翌年5月21日までは開くのが10時になる

ロッキーは夏、ケベックとナイアガラは春から秋、バンクーバーは一年じゅう、というのが公式の運行日から読める形です。冬のロッキーはスキーの旅になります。

行く前に決まっていること

日本のパスポートで
短期の観光にビザは要らない。ただし空路で入るときは電子渡航認証(eTA)が必要。車・バス・鉄道・船(クルーズ船を含む)で入るときは要らない。カナダ政府 IRCC「What you need to enter Canada」/2026.08.22 確認
eTAの費用と有効期間
7カナダドル。最長5年間有効(パスポートの期限が先に来ればそこまで)。有効な間は何度でも入国できる。申請と支払いは一度に一人分だけ。カナダ政府 移民・難民・市民権省(IRCC)「電子渡航認証(eTA)の概要」日本語版/2026.08.22 確認
一度に滞在できる長さ
通常1回につき最長6か月。eTAを持っていても入国が保証されるわけではなく、到着時に入国審査官が判断する。カナダ政府 移民・難民・市民権省(IRCC)「電子渡航認証(eTA)の概要」日本語版/2026.08.22 確認
公用語
英語とフランス語。公用語法(Official Languages Act)が連邦の公用語として定めている。カナダ司法省 法令サイト「Official Languages Act」/2026.08.22 確認
通貨
カナダドル(CAD)。紙幣は5・10・20・50・100ドル。カナダ銀行(中央銀行)公式サイト「Polymer series」/2026.08.22 確認
国の広さ
998万4,670km²で、世界で2番目に大きい。東西の端から端まで5,514km。海岸線の長さは世界一。カナダ統計局「Canada Year Book – Geography」/2026.08.22 確認
国立公園の入園料
バンフ国立公園の1日券は大人12.25カナダドル、17歳以下は無料。年間のディスカバリーパスは大人83.50。2026年の夏(6月19日〜9月7日)は「カナダ・ストロング・パス」で無料だったが、9月8日から通常料金に戻っている。パークス・カナダ「Fees – Banff National Park」/2026.09.10 確認

eTAは、飛行機で行くなら必ず要る

ここが日本からの旅行者にとっていちばん大事な手続きです。日本のパスポートは短期の観光にビザが要りませんが、空路で入るときは電子渡航認証(eTA)が別に必要です。持たずに空港へ行くと、搭乗できません。

カナダ政府の日本語ページに書いてあることを、そのまま並べます。

  • 費用は7カナダドル。申請と支払いは一度に一人分だけ
  • 有効期間は最長5年。パスポートの期限が先に来れば、そこまで
  • パスポートに電子的に結びつく。パスポートを作り直したら、eTAも取り直す
  • ほとんどの人は数分でメールが届くが、書類の追加を求められると数日かかることがある
  • 申請はカナダ政府の公式サイトだけで行う(政府自身がそう書いている)

逆に、車・バス・鉄道・船で陸から入るときはeTAは要りません。アメリカ側から陸路で入る旅程なら、この手続きは発生しません。

eTAを持っていても、入国が保証されるわけではありません

公式の説明にはっきり書かれています。到着したときに入国審査官がパスポートと書類を見て、入国の条件を満たしているかを判断します。滞在できる長さも「通常1回につき最長6か月」で、自動的に6か月与えられるわけではありません。

国立公園は、入るのにお金がかかる

ロッキーもジャスパーも国立公園なので、入園料が要ります。2026年の夏は「カナダ・ストロング・パス」で6月19日から9月7日まで無料でしたが、9月8日から通常料金に戻っています。こういう期間限定の措置はまた出ることがあるので、行く前にパークス・カナダの料金ページを一度見てください。

バンフ国立公園の通常料金は、1日券が大人12.25カナダドル、17歳以下は無料。年間のディスカバリーパスは大人83.50カナダドルです。7日以上、複数の公園に入るなら年間パスのほうが安くなります。

なお、同じ公式ページに「パスのオンライン販売が不具合で止まっている」という告知が出ています(2026年8月22日と9月10日の両方で表示されていました)。現地の窓口で買えますが、行く前に販売が動いているか見ておくと安心です。

行く前に、必ず見るもの

カナダは自然が近い分、「開いているかどうか」が季節と災害で変わります。どのエリアでも、出発前に公式の状況ページを見る習慣をつけたほうがいい国です。

  • 山火事……ジャスパー国立公園は2024年の山火事の影響で、いまも閉鎖区域があります。パークス・カナダが公式に閉鎖区域の地図を出しています
  • 道路……山岳道路は季節でも1時間のうちでも状況が変わります。アイスフィールド・パークウェイは「携帯電話の電波が無い」と公式が明記しています
  • 予約……レイクルイーズとモレーン湖のシャトルは予約制で、受付開始は例年4月です。行くと決めたらすぐ押さえる類のものです

入国の制度は変わります。ここに書いたのは2026年8月22日にカナダ政府のページで確認した内容です(入園料は9月10日に再確認)。渡航が決まったら、必ず公式サイトで見直してください。

どのエリアにするかが決まったら、それぞれの記事へ進んでください。空港からの入り方、食べるもの、泊まる場所、日程の型まで、エリアごとに書いてあります。

この記事で確認した出典

  1. 01
    カナダライン(スカイトレイン)トランスリンク(バンクーバー都市圏の公共交通)公式サイト「SkyTrain」確認日:2026.09.10/公式の路線案内ページを直接取得
  2. 02
    カルガリー国際空港からバンフへバンフ&レイクルイーズ観光局(公式)「Getting Here」確認日:2026.09.10/公式観光局のアクセス案内ページを直接取得
  3. 03
    UPエクスプレス(空港線)UPエクスプレス 公式サイト確認日:2026.09.10/公式サイトを直接取得
  4. 04
    オルレアン・エクスプレス(モントリオール〜ケベック)オルレアン・エクスプレス 公式サイト「Montréal – Québec」確認日:2026.09.10/公式の路線案内ページを直接取得