ベトナムは、日本から行きやすい国のひとつです。45日以内ならビザが要らず、直行便のある空港が複数あります。そのうえで、行く前に知っておくと効くことが2つあります。ひとつはビザの条件、もうひとつは2025年に国の地図そのものが変わったことです。

ベトナムを4つに分けて見る

細長い国なので、北・中部・南でまったく違う顔をしています。ピンを押すと、そのエリアの記事へ飛びます。

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ハノイ旧市街の路上。天秤かごと自転車で売りに来る01/ハノイハノイ|千年の都に、王城と孔子廟と屋台が同居している14世紀からの通りがそのまま生活の場になっている旧市街と、地下から遺構が出てくる王城、11世紀の孔子廟。どれも歩ける距離にあります。見どころの時間と料金、フォーとブンチャーとエッグコーヒーの店、宿、2泊3日の回り方を公式で確認しました。この記事を読む ハロン湾の石灰岩の島々02/ハロン湾とチャンアンハロン湾とチャンアン|入湾料は「どの航路を回るか」で決まりますハロン湾の入湾料は、船代とは別に、回る航路ごとに決まっています。日帰りと船で泊まるのでは料金の建て方が違い、悪天候の日は出港そのものが止まります。ハノイからの行き方、クルーズの選び方、陸のハロン湾と呼ばれるニンビンの回り方をまとめました。この記事を読む フエ王宮の門03/ダナン・ホイアン・フエ中部ベトナム|ダナン・ホイアン・ミーソン・フエ。海と旧市街と遺跡と王宮が2時間の圏内にあります浜のあるダナン、商人の町ホイアン、チャンパの遺跡ミーソン、阮朝の都フエ。性格の違う4つが、ダナンの空港を起点に車で50分から2時間の距離に並んでいます。行き方、名物、宿、3泊4日の回り方を国家観光局と各公式で確認しました。この記事を読む ホーチミン市の夜。サイゴン川ぞいの高層ビル群04/ホーチミンホーチミン|統一会堂も戦争証跡博物館も、料金は公定です1975年に戦車が入った門、戦争の記録を集めた博物館、地下トンネル。歴史の側の見どころは公定料金で、いくらか公式に出ています。空港からの動き方、ドンコイ通りと市場、川沿いの古いホテル、2泊3日の回り方をまとめました。この記事を読む

4つのエリア、それぞれの入り方

国際線が着く空港は3つあります。北はハノイのノイバイ、中部はダナン、南はホーチミンのタンソンニャット。どのエリアから入るかで、旅の形が決まります。

  • ハノイ……ノイバイ空港から市内へ。見どころは歩ける距離に集まる
  • ハロン湾とニンビン……ハノイから送迎つきのクルーズか、バスと列車。湾で1泊するかどうかが分かれ目
  • 中部……ダナンの空港からホイアンまで車で50分、フエまで2時間。フエには国内線の空港もある
  • ホーチミン……タンソンニャット空港から市内へ。タクシーと配車アプリで動く

季節は、北と南で逆に動く

細長い国なので、同じ月でも北と南で天気が違います。国家観光局の案内を、エリアごとに国の基礎データの欄(下)に載せました。要点だけ先に書きます。

  • 北(ハノイ・ハロン湾)……4〜6月と9〜12月がよい。6〜8月は暑くて雨、12月下旬〜3月は寒い
  • 中部(フエ・ホイアン)……雨季が遅く、9月から1月か2月まで雨。9月から嵐が来る。3〜8月が晴れる
  • 南(ホーチミン)……一年じゅう30度前後。5〜11月がにわか雨の雨季、12〜4月が乾季

つまり、秋に北を回るのはよく、秋に中部の浜へ行くのは向きません。冬なら南か中部、春なら北か中部、という組み合わせになります。

行く前に決まっていること

日本のパスポートで
45日以内の滞在はビザが要らない。2023年8月15日から、日本を含む13か国が対象(それ以前は15日だった)。ベトナム国家観光局 公式サイト「Visa Requirements」/2026.08.22 確認
45日を超えるとき
電子ビザ(eビザ)。2023年8月15日からすべての国・地域が対象になり、滞在90日・数次入国。ベトナム国家観光局 公式サイト「An official guide to e-Visas」/2026.08.22 確認
eビザで入れる場所
指定された13の国際空港(ノイバイ、タンソンニャット、ダナン、カムラン、フーコックなど)と16の陸路国境に限られる。ベトナム国家観光局 公式サイト「Visa Requirements」/2026.08.22 確認
通貨
ベトナム・ドン(VND)。ベトナム国家銀行(中央銀行)公式サイト/2026.08.22 確認
2025年に地図が変わった
2025年6月12日の国会決議で、省・中央直轄市が34(28省+6中央直轄市)に再編された。ダナン市はダナン市とクアンナム省が合併したもの。ニンビン省はハナム省・ナムディン省と合併している。ベトナム国家観光局 公式サイト「Vietnam's New Provincial System: 34 Names You Should Know」/2026.08.22 確認
入場料の考え方
公的な施設の入場料は公定で、外国人とベトナム人で額が違うところがある(ミーソン聖域は外国人150,000ドン、ベトナム人100,000ドン)。ミーソン遺跡・観光管理委員会 公式サイト「GIÁ VÉ THAM QUAN」/2026.08.22 確認
北部の季節(ハノイ・ハロン湾)
ハノイは4〜6月と9〜12月が過ごしやすい。6〜8月は暑くて雨が多く、12月下旬〜3月は意外に寒い。ハロン湾は4〜6月か9〜11月が晴れやすく、それ以外は雨や霧が多く、嵐でクルーズが止まることがある。ベトナム国家観光局 公式サイト「Weather and climate」/2026.09.10 確認
中部の季節(フエ・ホイアン)
雨季が遅い。フエは9〜2月が雨で寒く、9〜11月は洪水が出ることもある。ホイアンは9〜1月が雨で、9月から嵐が来る。3月は花の季節で、5〜8月は暑い。ベトナム国家観光局 公式サイト「Weather and climate」/2026.09.10 確認
南部の季節(ホーチミン市・メコンデルタ)
一年じゅう30度前後。5〜11月は雨季(にわか雨)、12〜4月は乾季で晴れる。ベトナム国家観光局 公式サイト「Weather and climate」/2026.09.10 確認
お金の実際
硬貨は無く、紙幣は10,000〜500,000ドン。20,000ドン札と500,000ドン札は同じような青なので払う前に見直す。主要空港の到着口のすぐ外に国際カード対応のATMがある。ホテル・旅行会社・レストラン・スーパーはたいていカードが使え、屋台と小さな買い物は現金。ベトナム国家観光局 公式サイト「Currency and payments」/2026.09.10 確認
物価の目安(国家観光局の例)
路上のコーヒー25,000ドン、屋台の食事とお茶45,000ドン、カフェのカプチーノ55,000ドン、レストランの3品のコース1人450,000ドン。ベトナム国家観光局 公式サイト「Currency and payments」/2026.09.10 確認

ビザ:45日までは要らない。超えるなら入口が限られる

ベトナム国家観光局の公式サイトの記載を、そのまま並べます。

  • 2023年8月15日から、日本を含む13か国に一方的な査証免除。滞在は45日まで。それ以前は15日でした
  • 45日を超えるときは電子ビザ(eビザ)。こちらは2023年8月15日からすべての国・地域が対象で、滞在90日・数次入国

ここで見落としやすいのが、eビザの入口です。eビザで入国・出国できるのは、指定された13の国際空港と16の陸路国境だけ。指定空港にはノイバイ(ハノイ)、タンソンニャット(ホーチミン)、ダナン、カムラン、フーコックなどが入っています。

査証免除の制度は、期限つきの決議で動いています

ベトナムの査証免除は、政府の決議で対象国と期間を決める形で運用されています。実際、2025年8月15日からはヨーロッパ12か国を対象にした別の免除が始まりました(日本はこれとは別の、2023年からの13か国のほうです)。つまり条件は入れ替わります。渡航が決まったら、必ず公式サイトで最新の条件を見てください。

2025年に、ベトナムの地図が変わりました

これは古いガイドブックを持っている人ほど混乱する話です。

2025年6月12日の国会決議で、省・中央直轄市が34(28省+6中央直轄市)に再編されました。いくつもの省が統合され、名前が消えたり、境界が変わったりしています。旅行者に効くのは、たとえばこのあたりです。

  • ホイアンとミーソンは「クアンナム省」ではなく「ダナン市」になりました。ダナン市とクアンナム省が合併したためです
  • ニンビン省は、ハナム省・ナムディン省と合併しました。チャンアンのあるあたりです

公式サイトの住所表記も新しい形に変わっています。たとえばホーチミン市の統一会堂の住所は「135 Nam Kỳ Khởi Nghĩa, Phường Bến Thành, TP Hồ Chí Minh」で、以前のような「1区」という区の名前が入っていません。古い住所と公式サイトの住所が食い違って見えるのは、たいていこれが理由です。

入場料は公定。外国人料金がある場所もある

ベトナムの公的な施設の入場料は、値札のように決まっています。そして外国人とベトナム人で額が違う場所があります。

たとえばミーソン聖域は外国人150,000ドン、ベトナム人100,000ドン。クチトンネルは外国人向けに「見学料35,000ドン+案内サービス料100,000ドン」という組み立てです。これは不正な上乗せではなく、公式サイトに書かれている公定の料金です。現地で提示されて驚かないように、この構造だけ知っておくといいと思います。

天候で、船と便は止まります

ハロン湾のクルーズは、悪天候のときに管理委員会が出港を止めます。実例として、2026年8月22日にはハロン湾管理委員会の公式サイトの先頭に「同日7時から、湾内を観光・宿泊する船舶の出港を一時停止する」という告知が出ていました。

船が出ない日は、湾に浮かぶ島も洞窟も見られません。公式サイトに告知が出るので、当日の朝に見る習慣をつけてください。雨季と台風の時期は特にそうです。

お金:硬貨は無く、20,000ドン札と500,000ドン札が似ている

通貨はベトナム・ドンです。国家観光局の案内をそのまま並べます。

  • 硬貨は無く、紙幣は10,000ドンから500,000ドンまで。20,000ドン札と500,000ドン札は同じような青なので、払う前に見直す
  • 主要な空港の到着口のすぐ外に、国際カードが使えるATMがある。両替所も出口の手前にある
  • ホテル、旅行会社、レストラン、スーパーはたいていカードが使える。屋台と小さな買い物は現金
  • 物価の目安として国家観光局が挙げている例は、路上のコーヒー25,000ドン、屋台の食事45,000ドン、レストランの3品のコース1人450,000ドン

どのエリアから決めるか

北のハノイ、湾と洞窟、中部の遺跡群、南のホーチミン。4つとも性格が違うので、まず1つ決めて、そこから日数を足していくのが組みやすいと思います。入場料と開いている時間は、それぞれの記事に公式の記載を載せました。